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元官僚が見る企業の労働環境のいままでとこれから / 顧問:田岡春幸

働きがいとは

 

近年日本人の労働観に変化が起きている。

終身雇用制を前提とした会社への帰属意識から

個人の労働分野における様々な権利の主張に変化をしてきている。

日本の労働観の変化と働きがいについてみていきたい。

 

近年の日本の労働観は石田梅岩により確立したと言っても過言ではない。

「商人道」では

「商人が勤勉・実直に働いて富をなすことは正当な行為であり、

利益を得ることに堂々と胸を張れ」と働くことの美徳意識を説いた。

この意識が、明治以降の急速な経済発展に寄与したと考えられる。

 

戦前までは、報徳運動もあり、勤労であったと考えられる。

戦後は、働いて賃金を得るという考えを中心とした、労働に変化

したと考えられる。

 

働きがいは、終身雇用制が成り立っていたバブル前とバブル後では

意識に変化がある。

前者は、やりがいや安定を重視しており会社への帰属意識が強かった。

バブル崩壊後は、不安定雇用が重なり、給与などの待遇や、年休や

福利厚生など本人の生活に直結したことを働きがいとして意識する

ようになっている。

 

次回は、現代の働きがいについて、考察をしていきたい。

 

あすなろ投資顧問 

顧問 田岡春幸

 

 

田岡春幸
Haruyuki Taoka

労働問題コンサルタント。。昭和51年、静岡市生まれ。大学卒業後、厚生労働省に入省し最低賃金法の改正、労使問題などに携わる。厚労省退官後は、企業の労務・人事系の顧問を務め,厚生労働省助成金・労働基準監督署立会、ユニオン交渉IPO労務監査、労働法制全般相談など幅広く活動。
2019年10月よりあすなろの顧問に就任。

【主な著書や活動】
「中小企業がユニオンに潰される日」(2016年)(青林堂)
「ユニオンとブラック社員、働き方改革」(2017年10月)(青林堂)
「電通過労死で消えた働きたい権利」(ironna)
「ユニオンについて」(大阪社会保険労務士会・講演会)他
「働き方改革を経営者の視点で読み解く」(2018年4月 ITメディアエグゼクティブ」など。