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働き方改革と年休(2) / 顧問:田岡春幸

労基法改正で使用者は10日以上の有給休暇が付与される全ての労働者に対し

毎年5日間、時季を指定して有給休暇を取得させることが義務付けられた。

 

有給休暇取得義務化の対象者は、有給休暇の付与日数が10日以上である労働者

(管理監督者や有期雇用労働者を含む)になる。


有給休暇取得義務化に対する対策としては、以下が考えられる。

 

①個別指定方式

 

労働者がいつ有給休暇を取得するのか原則として本人の自由に任せる。

そのうえで、期限内に5日の取得が完了しなさそうな社員に対して

適宜、会社が有給休暇取得日を指定する方法である。

労働者の有給休暇を自由にとる権利が尊重される。

 

リスクとしては、会社にとっては有給休暇の管理が難しくなる。

労働者がうっかり取得を怠っていると、残された短期間のうちにまとめて

5日の休暇をとらせることとなり、業務の支障をきたす。


②計画年休制度の導入

 

労働基準法では、従来、会社と労働者代表との労使協定により、有給休暇を

会社が指定して与えることができる計画的付与という制度がある。

たとえば、全社員が同時に特定の日を有給休暇とするパターン

(会社全体でお盆やゴールデンウイーク、年末年始の前後に休みを増やす)

部署ごとに有給休暇をとる日を分けるパターン

(業務量の閑散期を選んで事業部ごとに休みを決めていくなど)がある。

 


誰かがいなければいけないようなサービス業(店舗系など)

若しくは属人的な業務が多い会社は①方式を。

ある程度の人数がいて管理が難しくなってくる場合は②の方式を採用すると良い。

 

また、有給休暇の取得率が低い会社では、計画年休制度のほうが向いている。
会社には、取得させる義務のある労働者に年5日の有給休暇を取得させなかった

場合、30万円以下の罰金に処せられるので注意が必要である。

 

 

 

田岡春幸
Haruyuki Taoka
 


労働問題コンサルタント。。昭和51年、静岡市生まれ。大学卒業後、厚生労働省に入省し最低賃金法の改正、労使問題などに携わる。厚労省退官後は、企業の労務・人事系の顧問を務め,厚生労働省助成金・労働基準監督署立会、ユニオン交渉IPO労務監査、労働法制全般相談など幅広く活動。
2019年10月よりあすなろの顧問に就任。

【主な著書や活動】
「中小企業がユニオンに潰される日」(2016年)(青林堂)
「ユニオンとブラック社員、働き方改革」(2017年10月)(青林堂)
「電通過労死で消えた働きたい権利」(ironna)
「ユニオンについて」(大阪社会保険労務士会・講演会)他
「働き方改革を経営者の視点で読み解く」(2018年4月 ITメディアエグゼクティブ)など。