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働き方改革と年休(3)/ 顧問:田岡春幸

計画的年休などを導入する場合には就業規則の改定や労使協定が必要になる。
(年次有給休暇)第◯条(前略)

 

「前項の規定にかかわらず、労働者代表との書面による協定により、各労働者の有する年次有給休暇日数のうち5日を超える部分について、あらかじめ時季を指定して取得させることがある。」(記載例)とする必要がある。
この場合、残り5日は従業員に自由に活用させなければならないことに注意が必要である(あくまでも計画的年休を導入できるのは5日まで)

 

今回の法改正で年5日の年休の時季指定が企業の義務となった。
企業には年休取得に関する労働者の希望を事前聴取したり、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を備えた上で3年間書類を保存する法的義務が生じた。
義務を履行するためには、労働者ごとのスケジュール管理や正確な年休残日数の把握が必要となる。労務管理の手間が大幅に増すことが予想される。

 

法改正により煩雑化した労務管理についてはITツールを活用するなどして効率化し、管理監督者自らも進んで年休を取得できるように環境を整備することが、職場全体の年休取得促進に有効である。

 


田岡春幸
Haruyuki Taoka

労働問題コンサルタント。。昭和51年、静岡市生まれ。大学卒業後、厚生労働省に入省し最低賃金法の改正、労使問題などに携わる。厚労省退官後は、企業の労務・人事系の顧問を務め,厚生労働省助成金・労働基準監督署立会、ユニオン交渉IPO労務監査、労働法制全般相談など幅広く活動。
2019年10月よりあすなろの顧問に就任。

【主な著書や活動】
「中小企業がユニオンに潰される日」(2016年)(青林堂)
「ユニオンとブラック社員、働き方改革」(2017年10月)(青林堂)
「電通過労死で消えた働きたい権利」(ironna)
「ユニオンについて」(大阪社会保険労務士会・講演会)他
「働き方改革を経営者の視点で読み解く」(2018年4月 ITメディアエグゼクティブ)など。